立ち上がれ、ドンたちよ!全国丼連盟、発足!
西暦2014年6月10日。
この日、日本史に新たな一ページが記されることになった。
そう、全国丼連盟が発足したのだ。
日本人がこよなく愛する料理、丼。
丼の中で「フルコース」を実現し、
それでいて両の手のひらに収まってしまう。
そこには、日本のすべてが詰まっているといっても過言ではない。
そんな魅惑的で、蠱惑的。
イマジネーションの広がりたるや無限大。
この愛すべきジャパン・プライドの真価をもっと世に伝え、
丼を愛する人々―通称「ドン」―を増やすべく、
我々「全国丼連盟」はこの日、高らかに決起集会を開いた。
すると驚いた。
なんと、報道機関の方々がホントに集っているではないか。
やはり丼の潜在力は計り知れない。
人は丼の魅力に抗えないのだ。
そんな期待の眼差しを受けて、
まずは全国丼連盟理事 波房克典が登場する。
奇抜な連盟ロゴマークが登場し、続いて波房は語る。
「丼は想像的な宇宙そのもの」
「丼は一杯で表現するジャパン・プライドです」
分かるようでよく分からない言葉の数々に、
司会から「みんなついてこれねーよ!」とツッコミを受けつつも、
波房は語る。
しかし、次第に来場者はみな、
丼の魅力に取りつかれているようだ。
そう、美味いものは美味いのだ。
よし、あと一押しだ。
ここで波房は、
日本の丼文化の普及促進を促す設立目的や、
軽快でオモシロい丼用語を語り、
聴衆を巻き込んでいく。
「丼宣言」
「今日、俺、丼活します」だけでなく「◯◯丼を食べます」と宣言すること。
事前に丼活の宣言をし、しかも食べて報告する。
野球で言うところの“予告ホームラン”。
難易度は高い。
「丼ネーム」
“丼ファン”であることを高らかに宣言した丼連盟員のみが名乗ることを許されるホーリーネーム。
丼連盟員は、連盟から専用の名刺を作ってもらうこともできます。
「丼杯(どんぱい)」
丼ファンが素晴らしき丼との出会いに感謝し、
その喜びを分かち合う儀式。
乾杯の丼版。
次第に会場は温まり、
空気が温まってくる。
とくに丼杯は、「一度やりたい」という声が自然と上がった。
ここでさらに波房は、各界からの「賛丼人」の紹介をする。全国丼連盟の趣旨に
賛同し、協力を名乗り出た人々だ。
たとえば、中でも全丼連の理事にはそうそうたる顔ぶれが揃う。
全丼連の理事長の西村俊彦氏は、
普段「日本ハンバーグ協会」の会長。
「ハンバーグは丼に乗りますしね。丼ネームは『ドン西村』です」と軽快だ。
専務理事には「日本唐揚協会」の八木宏一郎氏(ドン八木)。
理事には「日本コロッケ協会」の山村嘉克氏(ドン山村)が就任した。
連盟は盤石だ。
そしてさらには理事長から、
●名刺を持った連盟員を1,000名に
●丼の世界一を決める「ワール丼カップ(仮)」の開催
といった今後の構想で会場はヒートアップ。
名刺を持ちたい!という声や、世界一の丼とは!?
と早くも激戦を予想させる期待が膨らんだ。
そして会場はここで、裏でこっそり用意されていた丼の配布へ!
なんと来場者すべての人と美味しい丼を掲げ、「丼杯!」と高らかに宣言
しようではないかという提案に、会場は拍手喝采となった。
そして一人ひとりが唐揚丼、コロッケ丼、ハンバーグ丼などなど、
七種類に及ぶ丼より
好みの丼を選ぶ運びとなった。
もちろん最後に、全員で「丼杯!」
誰もがやはり笑顔だ。
かくして、
全国丼連盟は、大きすぎるほどの野望の一端を開陳し、
発足式は幕を閉じた。
その他の発足式の様子は、
各報道をご覧いただきたい。